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2009年7月17日 (金)

第9回企画展「アートの中のわたし、わたしの中のアート」作家紹介②

関東も梅雨明けです。この数日暑いですね。
最近あまり暑さを感じることがなかったのですが、昨日ちょっと必死に歩いてみたら暑かったです。自分が必死に生きていなかったという事実に衝撃です。

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さて、次回展の作家紹介の二回目です。
今日は愛知県芸の櫻井裕子さんを紹介します。


ブログ上の写真ではわかりにくいかもしれませんが、櫻井さんは二枚の写真を帯状に裂いて縦糸と横糸のようにし、織った作品を制作しています。掲載作品は大学院の卒制で、私も卒展に見に行きました。
それまでの作品がやや暴力的な印象を感じさせたのに対して、本作はアングルのような静謐な空気を持っています。ベージュやグレー調の微妙なニュアンスがとてもきれいな作品です。
なんとなく、「あぁ、納得できたのか」という感じを受けました。何に納得したかはわかりませんが、それまでの彼女の作品が持っていた、感情の「やり場のなさ」のようなものは消えています。でも、完全に穏やかかといえばそうでもなく、一本の針が落ちる音も聞こえそうなほどの緊張感もあります。

彼女は希望する美術大学に行けなかったこともあり、「描く」ということにコンプレックスを持っています。描かずに表現するにはどうしたらよいか、というところから織る手法が生まれました。
しかし、アトリエで裸体になり(被写体は作者本人であったり、別のモデルであったりする)、写真にそれを収め、裂く、という制作過程は、彼女のそんな自身のなさのようなものは微塵も感じさせません。

実際彼女は以前、「プラス、プラスでできた作品は信じられない」と話していました。いつも控えめにものを言う櫻井さんが、そんな風に自身の作品を語れるのは、自分というもの、そして表現ということに、これまでごく真摯に向かい合っていたからなのでしょう。
自分には美術しかなくて、でも絵が描けなくて、だから本当にこのやり方しかない、という、ある意味では消極的な選択が、一方では彼女にとって最大の根拠となり、 強さとなっているわけです。

彼女の、強くもろく正直な表現に向き合うのは、容易な事ではないと思います。
しかし、ぜひ会場に足をお運びになり、彼女の中のアートを感じてください。

[からくりプロジェクト 唐澤茉也]

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