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2009年7月29日 (水)

企画展「アートの中のわたし、わたしの中のアート」が始まりました!

7/25よりからくりプロジェクトの最新企画展が始まりました。


今回は初日アーティストトークの模様と、患者さんの反応を少しお届けしようと思います。

今回は作家の方々が会場の病院までなかなか遠いということで、せっかくならとアーティストトークを企画しました。オーディエンスの数など準備不足は痛感いたしましたが、トークの内容自体はなかなか面白いものになりました。

作品とタイトルが合わさり、補完しあって完成する(しかもタイトルは、作品の間口を大きく開き、見る人を惹きつけるのに一役買っている)という土屋さんの作品のスタイルに対して、山田さんはある種見る人を突っぱねます。その意思は、サングラス・金髪というアイテムによって、見る人と映像中のモデルとのコミュニケーションをあえて困難にしているというところだけでなく、展示の仕方にも現れているように思います。
というのも、山田さんの作品では、変装前と後の映像がどのくらいの間隔で入れ替わるべきか、最後の最後まで展示方法を検討しました。作品の面白さを充分に感じてもらうためには、間隔が長いほうが良いことは間違いありません。しかし、そもそも映像が交互に映されていることに気づいてもらえなければ、始まりません。より多くの人に「気づいてもらおう」とすれば、間隔は短くすべきです。作品に興味を持ってくれた人により深く面白さを“感じて”もらうのか、あるいは、表現の意図といったことはさておき、とにかく多くの人に作品を“わかって”もらうのか、この二者択一になりました。結果は前者で、映像の切り替えの間隔は長めにとってあります。この選択はキュレーターにとっては非常に難しい問題です。作家側に立つか、見る側に立つかで判断が真逆になってしまいます。最終的な判断を出させてくれたのは、山田さんの「唐澤さんが見て、一番作品が面白く感じる見せ方で見せるべきだ」という言葉でした。しかし、作品の間口を狭くしてしまったこともまた事実なのです。
結果的にどちらが良いのかは判断を急ぐべきではないでしょう。ただこのことに関して、間口を広く取る傾向にある土屋さんが「(見る人にわかりやすく入りやすい表現にすると)表現の意図というところまでなかなか考えてもらえなくて残念だ」と言っていたのが印象的でした。作家にとってもこれは悩ましい問題なのかもしれません。

トークの中で一番赤裸々に語ってくれたのが櫻井さんではなかったでしょうか。多くの人がなかったことにしている部分、陰の部分を、二枚の写真を編むことで炙り出だしたい、ほうっておきたくないという櫻井さんの言葉は、司会をしていた私にも響くものがありました。「隠したい部分があるから見せたい部分もある」とも話していました。
ただ、後からご指摘を受けたのですが、私の質問が主観的なところに及んでいたようです。櫻井さんにとってはおそらく素材に過ぎない写真を、大きく捉えすぎていたのでは、という指摘でした。指摘してくれた方は50代の女性でしたが、櫻井さんの作品そのものについても「あまりに個人的な感情が作品に出すぎていて、どう見て良いかわからない」というようなことをおっしゃっていました。これが櫻井さんがトークの中で話していた「テーマをもっと公的にすべきでないか」ということにつながるのかもしれません。櫻井さんの作品は個人的な感情がダイレクトに表され、その分同世代の女性は深く共感するが、それ以外の方、特に男性の共感を得にくいように思います。これはきっと彼女の今後の課題となっていくことでしょう。


以上がアーティストトークの模様ですが、病院の患者さんへの公開も始まり、ちらほらとリアクションなども聞かれるようになりました。
やはり、待合室の椅子のならびに置かれた土屋裕介さんの《静かな毒》は、老若男女を問わず関心を集めているようです。正面に立って10秒くらい顔を見つめる患者さんもいるとか。受付の事務の職員の方にも、彫刻と一緒に待つ人の姿(人と一緒に待つ彫刻の姿、と言うべきでしょうか?)が面白いと好評です。写真をぜひアップしたいところですが、患者さんのプライバシーに配慮して撮影は控えさせていただきます。

皆様ぜひ展示に足をお運びください!



[からくりプロジェクト 唐澤茉也]

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